FC2ブログ

事例3分析① カット野菜業者の経営革新

事例3は、巷では難度は例年並みと言われていますが、かなり難しかったのではないかというのが自分の感想です。事例3がマンネリ化から脱出するために、試験委員が練りに練って仕掛けてきたのではないかと考えています。確かに第1問の強み、弱みや生産関連の第2,第3問は例年通りなのですが、第4問については、企業の真の課題を見極めた上で適切な提案を行う力を問う良問だと思います。今までのように深く考えずに与件からそれっぽい箇所を抜き出して書けば良い問題よりも求められる力の質が相当に高いと言えます。
自分考える第4問のポイントは以下の通りです。

①まず、従来の思考なら、カット野菜を原料としたソースや乾燥野菜などの高付加価値製品の事業、中小地場スーパーマーケットなどから要望がある一般消費者向けの事業のどちらかを選ぶことが当然と判断できそうで、実際、受験校の解答や再現答案もどちらかを選んでいる解答が大半です。しかし、設問には「中小企業診断士としてどのような新事業を提案するか」と書かれていますから、両方をどうやって進めていくかという選択肢も当然考慮すべきではないでしょうか。自分は、ソースや乾燥野菜などの高付加価値製品の事業は絶対必要であると考えますが(理由は後述②)、一般消費者向けの事業も捨てがたい(理由は後述③)ので両方をシナジーを働かせて推進していくべきと考えています。ここははっきり断言できませんが、いずれにしろどのような新事業を提案するかと問われていることから、社長の考えていることをそのまま受け入れるのではなく、社長よりも更に大所高所の視点で新事業を提案することが求められているのではないでしょうか。ですから、求められる水準はかなり高いはずです。

②ソースや乾燥野菜などの高付加価値製品の事業は絶対必要であるのは何故かということですが、現事業の製品特性からどうやっても解決できない問題点を解決できるからです。
 
問題点:現事業のカット野菜は、収穫後すぐに出荷しなければならない、つまり在庫として保存できない為、季節操業を余儀なくされる
解決策:ソースや乾燥野菜などの長期保存できる製品を扱うことにより収穫時期に左右されず通年操業を図る。

長期保存できる製品を扱うことにより通年操業を図ることはC社の問題を魔法のように解決してくれる秘策です。しかも高付加価値だから、収益性向上にも大きく寄与する。C社にとって経営革新となるでしょう。長期保存できるから通年操業できる点についてなかなか気付くのが難しいのは、与件に、野菜カットが在庫として保存できないことを試験委員があえて記載していないことに起因すると思われます。このあたりから相当工夫して与件を作っていることが伺えます。

③一般消費者向けの事業も捨てがたいのは、一般消費者との接点を持てることにより、製品のニーズを把握することができる為、社長が片手間で行って営業が弱いC社にとって、成長の機会となるからです。ニーズ把握を強化するために、営業の専任化が必要でしょうし、そうやってニーズ把握を強化することで高付加価値製品の提案もできるようになるでしょう。ソースや乾燥野菜等の事業とのシナジーも発揮できるわけです。
与件の「社長は、全体の経営管理の他に営業活動も担っている」という毎年のように出てくる営業力不足を示唆する記載からC社の営業面での課題を把握し、やっぱり第4問で解決しなければいけないという方向性を持てたかは事例3の高得点奪取の条件となりそうです。毎年のように営業面について聞かれていて今年も同様であるのにもかかわらず営業力の指摘が出来た方は少ないように思いますので。

②のように、在庫として保存できるか否かという一つの視点がC社の経営革新につながるという点で、今年の事例3は実によくできた事例ではないでしょうか。診断士の一番重要な役割は、社長が気付かない視点を大所高所から指摘して経営革新につなげることでしょうから。



スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

再考してみると

加工ソースでは
操業率上げるとどうなるか?
総コストをおさえつつ安定した原材料仕入れルートの新たな確保
設備保全(H26年第3問参照)
が新たなボトルネックになる

野菜パックの場合は
物流・営業


さらにソース=大量連続生産と野菜パック少量多品種受注生産ではトレードオフ関係にあるので生産マネジメント

No title

pontaka様

コメント頂き感謝ですね。
自分が気付かなかった点のご指摘ありがとうございました。
最新記事
プロフィール

りっちー

Author:りっちー
30代前半のサラリーマン&中小企業診断士です。

中小企業支援や中小企業診断士試験のことを中心に綴っていきます。


にほんブログ村

最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
月別アーカイブ
カテゴリ